はじめまして。
経済ジャーナリストの高橋隆一と申します。
スタートアップの資金調達と企業成長戦略を専門に、経営者の意思決定プロセスに光を当てる記事を執筆しています。
メガバンク系証券会社でのIPO担当、経済紙の記者、ベンチャーキャピタリストという三つの異なる立場を経験してきたことが、私の最大の強みです。

数字の奥にある物語を求めて

私のキャリアは2005年、証券会社でIPOやM&A案件を担当することから始まりました。
膨大な数字とデータに囲まれた日々でしたが、そこには常に経営者の情熱や企業の物語が隠れていました。
しかし、案件を成立させることに注力するあまり、その物語の全体像を伝えることができないというもどかしさを感じていました。

「企業成長の本質はなんだろうか」

この問いを追求するために、2011年にはMBAを取得した後、経済紙の記者に転身。
多くの成長企業を取材する中で、資金調達の舞台裏にある経営者の葛藤や決断の瞬間に触れ、これこそが伝えるべき価値だと確信しました。

しかし、記者として取材する立場では、実際の投資判断や経営戦略の実行に関わることができない。
そこで2014年、ベンチャーキャピタルへ転身し、投資家として数多くのスタートアップと向き合いました。
この経験が、私の視座をさらに高め、多角的な分析力の源泉となっています。

「資金調達は仲間づくり」という視点

日本では「資金調達」という言葉に、どこかネガティブなイメージを持つ経営者も少なくありません。
しかし私は、資金調達を「成長のための仲間づくり」と捉え直すことの重要性を説いています。

2013年に取材した東北の製造業ベンチャーの経営者の言葉は、今も私の原点です。
震災で工場を失いながらも、独自技術を武器に海外VCからの資金調達に成功した彼は、こう語りました。

「困難は新たな可能性を開く」

この言葉は、私自身のキャリア選択にも大きな影響を与えました。
2017年に独立し、経済ジャーナリストとして活動を始めたのも、より多くの企業の物語を、自分の言葉で伝えたいという思いからでした。
2019年に上梓した『資金調達の教科書』がベストセラーとなったことは、こうした思いが多くの経営者に届いた証だと感じています。

私の記事に込める想い

私の記事を読むと、必ず「起承転結」の物語構造に気づくでしょう。
冒頭では経営者のパーソナルストーリーから始め、企業の成長課題、資金調達の苦労、そして成功に至るまでの道のりを論理的に展開します。
各セクションの最後には必ず「学びのポイント」を入れ、読者が自社に応用できるヒントを提供することを心がけています。

「危機と好機」「挫折と成長」といった対比を通じて、経営の本質に迫りたい——。
金融や経営の専門用語は、「資金調達は企業の血液を増やすこと」など、読者にイメージしやすい比喩で説明します。
数字だけでなく、経営者の情熱や企業理念、チームの結束力といった定性的な価値が投資判断に与える影響を描くことで、読者に新たな気づきを提供したいのです。

日本アルプスと企業成長曲線——私のインスピレーション源

仕事を離れると、年に数回、日本アルプスに登山に出かけます。
険しい山道を一歩一歩登り切ったときの達成感は、経営者が困難を乗り越えて成功する瞬間の喜びに通じるものがあると感じています。
この体験が、経営者の地道な努力を描写する際の共感力につながっているのではないでしょうか。

また、ベートーヴェンの交響曲を聴きながら構想を練ることも私の習慣です。
壮大な物語構造を持つクラシック音楽から、「テーマと変奏」の手法を学び、核となるメッセージを様々な角度から描写する書き方を身につけました。

経済史研究、特に日本の高度経済成長期とバブル崩壊後の企業再生の歴史からは、現代の企業経営にも通じる普遍的な教訓を見出しています。

これからも企業と投資家の架け橋として

朝5時から7時という誰もが眠る時間に執筆する習慣は、15年以上続いています。
この静寂の中で生まれた文章が、多くの経営者や起業家の皆さんの一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

「数字」と「物語」の両面から企業成長を描き出すことで、専門家だけでなく、これから起業を目指す方々にも価値ある情報を提供していきたいと思います。

専門性と物語性のバランスを大切に、これからも日本の成長企業の軌跡を追い続けます。
私の記事を通じて、皆さんの企業経営や投資判断に新たな視点が加わることを願っています。

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